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宝物のようなライブでした

エンリケ・エストレメニョ、息子のニョニョとの共演ライブ終了しました。

今回は、日本フラメンコ界を牽引する!!尊敬する先輩方のクアドロに、私も誘ってもらいました。後ろでパルマを叩くことがこんなに楽しいのか!!という思い。味あわせてもらいました。

 

エンリケといえば、本番で急に難しい歌を歌ったり、リハと違うところで歌ってきたり、こちら(踊り手側)の知識と対応力が試される、というイメージを持っていました(もちろんイジワルではなく、振付に凝り固まってはフラメンコではない、フラメンコはもっと自由だ、という愛の鞭なのですが)。
私も、自由に即興で踊りたい、と願ってやまない人間です。振付に縛られると面白くない。でも、道すじが無いと、ただの見切り発車になってしまいそれもまた見苦しい。いつもこのジレンマのなかで答えを探し求めています。
今回はティエントを踊りました。
私の中で、"ティエント"部分はそれほど即興要素は無いかな?と。タンゴは、歌やギターを聴いてその瞬間に生まれるものを、大事にしたい。即興でやってみたい。
エンリケだって、きっと自由に気の向くままやりたいよね~、、
と。。
迎えたリハーサル。
ティエントの構成をお伝えする。
しっかり(予想以上に)メモを取ってくれるエンリケ。
要所要所だけ、合わせようと思っていた私。
「じゃあ、少し前のこのジャマーダからやってみろ」とエンリケ。(本番は雰囲気で、何をするか分からないのにな〜)と、内心わたし。ハケはどうする。スビーダはしないのか。何のレトラが欲しいんだ。矢継ぎ早なエンリケ。やってみろ。
(焦って、やるかもしれないなぁ、と思っていたハケ方をするが、まちがえて、止まるわたし)
どうした、なんで止まった?!他の歌がよかったのか、どんなのか言ってみろ。もう少し前からやらないと、(流れが分からないから)、こんなtontería(バカみたいなこと)は無いぞ。
プチパニックなわたし(⁠;⁠^⁠ω⁠^⁠)
即興で本番やりたいです、リハでやったことを本番でもやるとは限りません、、
とは言えなかった私。
それはそうですね。即興でやるなら、リハーサル自体が全く必要ないから。まさにエンリケが言う、tontería なわけです。
即興でやりたい、ここは合わせなくても良い、と思うなら、そうハッキリとそう言えばよかった。振付は決して悪では無いし、即興でやりたいという気持ち(どれだけ盛り上げられるかの度量は別として)は、エンリケも歓迎してくれただろうに。。と、今になって思います。ハッキリしないのがいちばんダメ。それはまさに、踊り方と同じだなぁ、、、(遠い目)
終演後、ひとりの先輩が言っていた言葉がすごく胸に残りました。
エンリケたちのような、スペイン人とやるのは楽しいけど難しい。いかに"イニシアチブを取るか"なんだよね
あれ?そうか。
私は
即興力=提供された音楽(歌、ギター)に自分が合わせる力
だと思っていたけど、
"イニシアチブ(主導権)を握る力"
でもあるのか。バイレは指揮者、とか言っておきながらなんだかそのコンセプトは私の中で薄まっていたのかも。
歌が合いそうだったら歌ってください、ファルセータが合いそうだったら弾いてください、なんて
人任せもいいところ。そうじゃなく、
「ここには歌がふさわしいでしょ!!ちょうだい!!」
と、毅然とした態度で号令を出すのがまず第一の踊り手の仕事ではないか。
その過程で、ミュージシャンからいい変化球を貰えたら、それに応えるのもまた仕事。
人の意見を聞く前に、まず自分の意思をはっきり伝えないと対話にならないですね。
もしかしたら私の中で、即興に対する考えが少し違ってしまっていたのかもしれない、、と感じた夜でもありました。
あらためてフラメンコ、自分の成長とともに見え方・捉え方が変わる!!
面白い!!!
もっともっと成長したい!!!

エンリケ、ニョニョはじめ、共演のバイラオーラス全員のアルテに、素直に心から感動しました。

 

また、このメンバーでとも言ってくれました。

次に共演するときには、もうひと周り成長しておくぞ☆

エンリケ歌手生活50周年記念アルバム&ニョニョのバイレ練習用CD 買ったからにはたくさん聴こう~
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コメント: 1
  • #1

    柳原 (火曜日, 12 12月 2023 20:37)

    ライブの後でシェアしてくださったお話、更にこのエピソード読み、成る程initiative。即興の引き出しと互いをリスペクトしつつ自信を持ってぶつかってく(いや、必ずしもぶつかるわけではないですが)。何か踊りだけでなく仕事もそうだな、思う今日でした。
    このメンバーでされるときには次回、必ず見に行きたいと思った私です。