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フィエスタ

こんなご時世ではありますが。


フィエスタで遊んできました。



フィエスタとは

fiesta=スペイン語で「お祭り、パーティー」



フラメンコの世界では、舞台ではない所で歌ったり踊ったりして遊ぶことをフィエスタ、とか、フエルガ(juerga)と言います。


フラメンコはもともと舞台芸術ではありません。家の中やバルなど、人が集まるところでひっそりと楽しまれてきた娯楽です。「お父さんが歌ってたから、私も、自然と歌える」みたいに代々受け継がれているものです。



とはいえスペインでもこういう遊びは絶滅の危機に。場所が減ったのか、人が減ったのか。フラメンコ以外の余暇がたくさんある時代のせい、でもあるかもしれません。古き良きフィエスタのあるべき姿を知る人は、年々減っているのだと思います。



今でこそフラメンコ=激しいダンスのイメージですが、元は激しくもなんともないし、何なら踊りがなくても歌と音楽で充分楽しめたりします。


ということを知らないで習ってるフラメンコ学習者は(スペイン含め)全世界に多数いるのではないでしょうか。


そのことについて何かを言うつもりはありませんが、この根っこの部分に気付いた瞬間フラメンコ沼(=果てしなく探究心をくすぐられる)にどっぷりハマり、本当の意味で面白くなるはずです。



日本にも、遊びとしてのフラメンコを楽しもうとする愛好家が結構います。私もその一人です。

ただ、スペインのように自然発生的なフィエスタが起こることはほぼありません(ごくたまに、ありますが…!)。家族友人が急に歌い出すような場所も文化もありませんから。「用意された」フィエスタを楽しむので精一杯です。



でも、それでいいと思ってます。

憧れるような、アルテ(粋)溢れるフィエスタとまでは行かなくても、誰もが自由に歌い、踊り、参加し、楽しむ、そこにフラメンコの本質を見出すことができれば、少なくとも良いアフィシオナード(愛好家)になれます。アルティスタ(芸術家)である前にアフィシオナードであれ、は私が尊敬するアルティスタが口を揃えて言うセリフです。



もちろんフィエスタをするには、それなりのお作法の理解が必要ですが。

もっともっと、日本で自由なフラメンコが根付くと良いと思ってます。





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