ファンダンゴ・デ・ウエルバ

今日はファンダンゴ・デ・ウエルバについてです☆


スペイン南西部、ウエルバ県で培われたファンダンゴ。もともとの土地にあったフォルクローレと融合したと言われています。独特の3拍子が軽快です。
歌は起承転結のようなストーリー性があり、最後にビデオも添付していますが、語るように歌われるのですね。
特に拍子を付けず自由に歌われることもあり(fandangos naturales)、こちらはスペイン南東部レバンテ地方で生まれたものであります。タラントやアバンドラーオなどは、すべてこのファンダンゴ族の仲間になります。
話は逸れましたが、Fandangos de Huelvaの歌詞について。その詩法についての定義がこちら。
・一行8音節から成る5行詩。そのうち一行が繰り返される
・1,3,5行目および2,4行目が韻を踏む。(しかし例外もよくある)
説明だけ見ると難しいので
(^^;)(^^;)
例を見てみましょう
🍀🍀
Cuando salí de mi Huelva
Volví la cara llorando
Yo te dije,”Huelva mía,
Qué lejos te estás quedando”
Con lo que yo te quería
私がウエルバから去ったとき
泣きながら振り返った
そして言った「我がウエルバよ、
なんと遠ざかってしまったことか」
こんなにも愛していたのに
Cuan/do/ sa/lí/ de/ mi/ Huel/va
Vol/ví/ la/ ca/ra/ llo/ran/do
Yo/ te/ di/je,/ “Huel/va/ mí/a
Qué/ le/jos/ te es/tá/ que/dan/do
Con/ lo/ que/ yo/ te/ que/rí/a
3行目と5行目「ía」、2行目と4行目「ando」が韻を踏んでます。母音も子音も揃う、rima consonanteです。(母音のみ韻を踏むのがrima asonante。もちろんconsonanteのほうが上等テクニックです。)
歌われるときは2行目が繰り返されます。(2,1,2,3,4,5の順番)
故郷ウエルバへの愛を歌った詩ですね。
もうひとつ例を挙げます
El fandango es mi alegría
es el cante que más quiero
Se alegran las penas mías
con un fandango alosnero
al amanecer el día
 
ファンダンゴは私の喜びだ
私が最も愛する歌だ
私の苦しみも喜びに変わる
アロスノ(地名)のファンダンゴで
夜が明けるとき
El/ fan/dan/go es/ mi a/leg/ría
es/ el/ can/te/ que/ más/ quie/ro
Se a/leg/ran/ las/ pe/nas/ mías
con/ un/ fan/dan/go a/los/ne/ro
al/ a/ma/ne/cer/ el/ día
こちらは1,3,5行目が「ía」で韻を踏み、2,4行目が「ero」で揃っています。
ファンダンゴそのものを讃える歌になっています。
ファンダンゴの主なテーマはこういう風に土地への愛だったり、歌への愛だったり、もちろん男女間の愛だったり。
ウエルバの人なら誰しもが共感するような歌詞が多いです。ファンダンゴはウエルバの誇り。それを披露するファンダンゴ歌いもまた人々から尊敬を集めます。
最後に、ファンダンゴ・デ・ウエルバの名手、パコ・トロンホ(Paco Tronjo)の動画を。